kritaの水彩ブラシを攻略する

前回の記事ではkritaの水彩ブラシを実際に使って風景を描き、そのときに分かったことやコツなんかをざっくりと説明しました。今回は、各水彩ブラシの詳細について見ていきたいと思います。

krita4.3で新しく追加された水彩ブラシがめっちゃエモい

kritaのtwitter公式アカウントで告知されてからずっと楽しみに待っていた水彩ブラシが、ついにやってまいりました🥳


紙の質感を出すためのテクスチャの変更方法や色の濃さをコントロールする流量の設定などついては下の参考動画の説明を書き出しています。

kritaの記事が思ったより多くの方に見られているようなので、今回はkritaチームに動画の内容を翻訳して紹介してもよいかメールを送ってみました。
とても緊張したけど、いいよ!って即返信がきたのでよかったです😂

水彩ブラシ一覧


WaterC_Basic_Lines-Dry
ガサガサした感じに塗れる細いブラシ。筆圧をかけるとかすれて殆ど見えなくなってしまうので、あまり力を入れずにサラサラと塗ると程良いかすれ具合で描ける。

WaterC_Basic_Lines-Wet
細いブラシ。筆圧をかけつつゆっくり塗ったところは、絵の具が溜まったみたいになる。素早く塗るほどかすれる。

WaterC_Basic_Lines-Wet-Pattern
塗りの縁にかすれが入り、画用紙の質感が入る。

WaterC_Basic_Round-Fringe_02
水分量の多い絵の具で塗ったときの縁のあたりがクッキリと色が濃くなる効果が表現できる。ポン、とスタンプすると水滴みたいな表現ができる。

WaterC_Basic_Round-Grain
塗りに粉っぽいザラ付きのあるテクスチャが入る。ペンを離さずに同じところをグリグリと塗ると、ぼかしが入りながら色が薄くなっていく。

WaterC_Basic_Round-Grunge
ザラザラゴワゴワしたようなテクスチャが入る。筆圧をかけるほど色が薄くなってかすれる。

WaterC_Flat_Big-Grain_Tilt
傾き検知があるペンを使うと、筆使いに応じて平筆の向きが変わる。塗りにザラザラゴワゴワしたようなテクスチャが入る。ペンを離さずに同じところをグリグリと塗ると、ぼかしが入りながら色が薄くなっていく。また、筆圧をかけるほど薄くなってかすれる。

WaterC_Flat_Decay_Tilt
傾き検知があるペンを使うと、筆使いに応じて平筆の向きが変わる。筆圧をかけると薄くグラデーションになっていき、ぼかし塗りになる。

WaterC_Special_Blobs
スパッタリングのような効果。 筆圧をかけるほど大きく滲んでいく。

WaterC_Special_Splats
スパッタリングのような効果。筆圧をかけるほど粒が粗くなる。

WaterC_Spread
ペンを離さなければ、均一に伸ばし塗ることができる。筆圧をかけると色が薄くなり滲みの効果が出てぼかせる。動画で説明されていましたが、色の濃さを調整するには、流量/Flowの値を変更します。

WaterC_Spread-Pattern
ひとつ上のブラシと同じだが、塗りに画用紙の質感が入る。

WaterC_Spread-WideArea
これもふたつ上のブラシと同じで、広い面を塗る用。

WaterC_Water-Pattern
ぼかすためのブラシ。筆圧をかけると、ぼかしに画用紙の質感が結構しっかり出てくる。

ブラシのテクスチャを変える

動画によるとWaterC_Spread-Patternのブラシは、塗ったときに表れる紙の質感を変更できるようです。

画面の上のほうにあるブラシのアイコンをクリックして、ブラシの編集画面を開きます。

左側の一覧に表示されている“パターン”を選択するとテクスチャが表示されるので、この中から適用したいテクスチャを選択します。右側のクラッチパッドでは、試し描きができるようになっています。

OKボタンがないので、そのままキャンバス側をクリックして編集画面を閉じます。

テクスチャが変更できました。

あと、他の水彩ブラシについても同じようにテクスチャを変更できるか気になったので試してみました。

下の例は左側は紙のテクスチャを貼ったレイヤーの上にWaterC_Basic_Round-Fringe_02のブラシで描いたもので、右側は先ほどと同じようにブラシ自体にテクスチャを設定したものです。右側のようにイマイチな感じになってしまうものがあるので、あまりやらないほうが良さそう。きちんと紹介されたもの以外は、そういうふうに作られていない気がする。

消しゴムモードにして洗い出しのような効果を得る

ブラシを使っているときにキーボードでeを押すと、使っているブラシが消しゴムモードになります。これを利用して洗い出しのような効果を得ることができます。

流量のスライダーを表示する

WaterC_Spread のブラシで色の濃さを調整したいときに流量のスライダーがあると便利です。
表示されてない場合は、“設定>ツールバーの設定の変更…” とたどって設定画面を開きます。

利用可能な操作の下の入力欄にスライダーと入力すると、“ブラシオプションのスライダー3”が出てくるので選択します。
真ん中の十字キーで“>”をクリックすると右側の一覧に追加されるので、更に十字キーの “∧” “∨”で移動して表示位置を決めます。

私はサイズのスライダーの横に表示させたかったので、ブラシオプションのスライダー2の下にくるように並び替えました。
“適用”ボタンを押すと表示されます。

まとめ

実物の水彩ブラシのノウハウが詰め込まれて作られている水彩ブラシ、しっかり向き合ってみると複雑なアナログ画材のどこまでをディジタルで表現するか、その落とし所が垣間見えたりして面白かったです。

私の使っている板タブはwacomのbambooで傾き検知がないやつなので、あったら絶対楽しいやつだこれ!って思いました😂

もう相当型落ちしてるし、買い替えを真剣に検討中…。

今後、このブラシを使った詳しいレクチャー動画も作られる予定みたいなので楽しみです!

photoshopのツールと似たkritaのブラシを使いこなして一歩先を目指す

kritaのプリセットで用意されているブラシを見ていくと、な〜んかよく分からないブラシがある…。調べてみると、どうやらphotoshopにあるツールと同じことができるようです。

kritaのベーシックブラシを攻略する

名前に“Basic”とついているkritaのブラシは、どのペイントソフトにも入っているであろう基本的なブラシになります。その中に、違いが良くわからないブラシがいくつかあったので調べてみました。


参考