photoshopのツールと似たkritaのブラシを使いこなして一歩先を目指す

kritaのプリセットで用意されているブラシを見ていくと、な〜んかよく分からないブラシがある…。調べてみると、どうやらphotoshopにあるツールと同じことができるようです。

今日はそのよく分からないブラシについてまとめてみました。
絵が描いてあるレイヤーに直接描かないとブラシの効果が出ないので気を付けましょう。

Adjust Color

既に着色されたところを、違う色に塗り替えることができるブラシです。輝度はそのままで、彩度と色相が変更されます。輝度がMaxである白には色がつきません。レイヤーの透過部分には色がついてしまうので注意します。

グリザイユ画法に利用出来そうなので、イラストの背景を描いてみました。

新しくレイヤーを作成して背景に白黒で雲を描いてみました。

一番右の画像では、白く塗りつぶしてあるレイヤーに直接雲を描いてあります。この場合は、Adjust Colorブラシで色を塗ると白黒だった雲を夕焼け色に塗り替えることが出来ました。

真ん中の画像は、白紙のレイヤーの上に新しくレイヤーを作って、そのレイヤーに白黒で雲を描いてあります。この場合は、雲に着色しても透過部分にも色がついてしまい、はみ出してしまいます。



ここで、雲レイヤーをロックすれば雲だけに着色ができるし、白紙レイヤーに直接描かなくても済むから良いのでは?と思ったりしませんか。これをやると輝度の情報がなくて色がくすんでしまいます。

輝度と色の関係について知れば、このブラシをもっとうまく使えそうです。こちらのサイトが解りやすかったのでメモ📕

画像のモノクロ化は輝度で変換しないとヒドイことになる|知らなきゃ絶対損するPCマル秘ワザ

Adjust Dodge

覆い焼き効果をつけるブラシです。

上の画像では、アクセサリーに付いている赤い石を発光させるのに使ってみました。

Adjust Lighten

もやの様な効果をつけるブラシです。kritaのマニュアルを見ると、霧のような効果をつけたりスフマートと呼ばれる彩色技法に利用できるようです。

スフマートってなにかしら…と調べてみると、こちらのサイトの解説がわかりやすかったので是非。

【レオナルド・ダ・ヴィンチの技法】その技法の謎に迫る!|白いキャンバス

このブラシは選択する色の明るさが重要です。

このブラシの色よりも明るい部分に着色すると下の色が透けます。ブラシの色よりも暗い部分にに着色すると、下の色は透けずにブラシの色でしっかりと着色されます。

上の画像は、暗いオレンジ色を選択して画像の左半分を均一に塗ってみたものになります。

キャラクターが明るい色なので、ブラシの塗りはあまり反映されません。
背景はブラシの色よりも暗いので、ブラシの色で着色できています。さらに背景は下に向かって少し明るい青へとグラデーションになっているので、下の方は背景の色が少しずつ透けてきているのが解ります。

Adjust multiply

乗算の効果で色を塗るブラシです。

Adjust Overlay Burn

オーバーレイの効果をつけるブラシです。

カラーサークルで明度が50%より上の領域で色を選択すると、オーバーレイの明るい効果が出ます。

つまり、上の画像に表示したカラーサークルで、半分より上側の領域で色を選択するとオーバーレイの効果が出ます。上に行くほど効果が強く出せます。

逆に、半分より下側の領域で色を選択すると焼き込みの効果になります。下に行くほど、効果はより強くなります。

上の画像では、雲の青緑のような色で発光している部分がオーバーレイの効果です。画像上の空の暗い部分は焼き込みの効果を使ってみました。

まとめ

今回見てきたブラシは、単純にエアブラシの合成モードを変えただけのものじゃないかと思います。使う度にブラシの合成モードを切り替えるのは地味に大変なので、よく使う合成モードのブラシが素早く選択できるようにプリセットに登録されているのではないでしょうか。

こういった効果は後から修正がしやすいようにレイヤーの合成モードで付けることが多いと思うけれど、ブラシでやるメリットって何だろう😅?とりあえずポップアップパレットに登録して色々遊んでみたいと思います!

参考

David Revoy Live Stream: Krita 4.0 brushes
Krita 4 Preset Bundle Overview